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ゲームレビュー
■ カルドセプト セカンド エクスパンション ■

[ 1 ] クラッシュ信者 2003/08/08 19:15TOTAL:70
グラフィック難易度シナリオサウンド操作性
9 点5 点1 点9 点9 点
お買い得度お楽しみ度キャラクター度バグ対策度総合評価
9 点9 点1 点9 点9 点
カードゲーム+ボードゲームの決定版。その完成度は前作をはるかに凌ぐ。たとえば、カードとMAPは大幅に増量されており、末永く楽しめる。また、カードのバランスはかなり調節されており、エクストラカードという特殊なカードを除けば、突出して優れたカードは存在せず、どれも一長一短で、使い方次第ではどれも有用なカードとなり、プレーヤーの実力が問われるだろう。
このゲームは、マスで区切られたMAPを、ダイスを振って出た数字分だけキャラを動かせるというゲームのため、運の要素が大きく絡んでくるが、それでも400種類以上にも及ぶカードの中から自分の戦略にあった50枚(同種は4枚以内)を選んで戦うわけだから、かなり実力がものを言うゲームである。試合が自分の描いた戦略通りに進んでいる時の喜びといったら、表現し難いものがある。
話は変わるが、メダル収集という一人用のやりこみ要素が、このPS2版に新たに導入されたことは非常にうれしいことだ。これは指定された条件を満たすと、その栄誉をたたえるメダルがもらえるというシステムである。メダルは何種類もあり、非常にやりごたえのあるやりこみ要素である。
末永くプレーできるし、やりこみ要素も豊富、このゲームの完成度は非常に高い。しかし、肝心なCPUのアルゴリズムに関しては不備な点が目立つのは否めない。前作よりはかなり改善されてはいるが、それでも、こういう場面ではこう行動するといったようにCPUの行動パターンはほぼ一律で、CPUに人間味を感じることは皆無であろう。ただし、CPUは人間とは違って、突拍子もない、いやらしい行動をとることはないので、その点でストレスがたまることはない。
残念なことは他にもある。それはキャラクターやストーリーに関して全く興味を示すことができなかったことである。カードに描かれているグラフィックはセンスがあり、何度見ても良いものであると思う。しかし、その分キャラクターの貧相なことといったら、かなりのギャップを感じてしまう。そんなキャラ達によってつむがれるストーリーなど見れたものではない。だいたいストーリモードなど1回クリアしたらそれまでで、後はひたすら対戦モードをやるだけである。これは少し強引な意見だが、ストーリーモードなどいらなかったのだ。対戦中のキャラのセリフもはっきりいっていらない。あんなものどうせ一回みたら、後は見るのがわずらわしくて、セリフカットするのが落ちだからである。
最後にこれだけは言いたいことが1つある。カードを得る手段は試合後の報酬のみである。(エクストラカードは例外)それも多くて16枚である。上にも書いたように、カードは全部で400種類以上もあるわけだから、集めるのは至難の業である。さらに悪いことに手に入るカードは完全にランダムである。何枚も手に入るカードもあれば、全く手に入らないカードもある。NEWカード補正が働くので全種類コンプリートするのは比較的簡単だが、2枚目以降の入手は保証の沙汰ではない。このゲームの楽しさの秘訣は、自分の選んだカードによる戦略が多岐にわたるという所にある。つまり、カードがそろわないうちは全くつまらないということだ。カードを十分にそろえるには、何度も何度も戦わなくてはいけない。その作業は、RPGにたとえるならば、ひたすら退屈な経験値貯めに良く似ている。そういう作業がカッタルいと思う人にはあまりお勧めできない作品ではある。